【佐藤さわ】社会変革実験台 ~ クエストの物語 No.2(前編)

このクエストの物語は、世の中に自らが望む変化を創り出そうと探求しているリーダー達へのインタビュー・シリーズです。

このインタビューでは、そのリーダーの考え、歩んできた人生の道のり、人生の目的、未来への想いなどを語っていただきます。

今回は、みんなが幸せでいる社会になるように自らが実験台となって新しい生き方を試している佐藤さわさんへのインタビューです。

佐藤さわ
佐藤 さわ(さとう さわ)

Sawa’s Project :
http://sawascafe.com/project/

1971年生まれ、宮城県仙台市出身
「みんなもっと、幸せな世の中へ!」をコンセプトに、Sawa’s Projectを展開中。自らを「社会変革実験台」と名づけて実験生活を送っている。

佐藤さわさんへのインタビューは、前編・中編・後編の3回に分けてお届けします。

前編は、佐藤さわさんが行っている社会実験とこれまでの歩みなどを紹介しています。

そして中編では佐藤さわさんが今の社会をどのように見ているか、さらに後編では佐藤さわさんが目指す社会についてを紹介します。

やりたいことをやっていて生きていき、みんなが幸せな社会を創り出す佐藤さわさん。その社会実験を、ぜひお楽しみください!

やりたいことをやっていても人は生きていける!

【小泉】はじめに、佐藤さわさんがされている活動を教えてもらえますか?

【佐藤さわ】「やりたいことをやっていても人は生きていける!」ってことを証明したいと思ってます。

私が実験台になって、私はとにかく「やりたいことしかしない」と決めているのね。

で「それでも生きていけるよ!」が上手くいけば、みんながそれを見て「あーそんなんでいいのか」となれば、みんながやりたくもない仕事を辞める勇気を持てたりするんじゃないかと思って、そういう仮定のもとにやっているのね。

けど、けっこう言語化に苦しんでいる部分もあって「やりたいことをやっていてもいい」と言っても、毎日パチンコをしていたいとか、そういうやりたいことを出す人がいるんだけど、私はそれは本当にやりたいことじゃあないんじゃないかと思っているのね。

今の世の中の仕組みにいるからみんなパチンコが楽しいとかになっちゃっているけど、本当の、本来の人間の本能のところに戻ると、けっこう人のためになることをしたいとか、人に喜ばれると嬉しいとか、みんな見失ってるだけで絶対あると思うのね。

だから私が言っている「やりたいこと」っていうのは、そういうことにつながる何かを見つけることを含めてやりたいことをやっていくことなの。

「今の資本主義経済の中だと、そんなことをやっていたってお金にならない」っていうのを脇に置いて、お金にならないことでもとにかくやる!っていうことを自分が実験しているところなの。

幸福度が増している今

【小泉】これまでその「やりたいことをやっていても人は生きていける!」っていう実験をやってきて、いまはどんな感じなんですか?

【佐藤さわ】
2つあって、1つ目はいわゆるお金的には回っていないです(笑)まだやっていけることを証明するには到っていないです。

だけど2つ目として、とにかく自分が楽しくなってるし、楽になっているし、幸福度が間違いなく増しているのね。これは本当に実感としてあるの。

そこと今の社会で生きる以上は最低限のお金の循環も必要なので、お金のところも上手くつながるようになっていければいいんだけど、そこにはもう一歩な感じ。

だけど、とにかく2つ目の点、幸福度が上がっているというところは間違いなく確信としてあるの。

そこが今のところは上手く発信はできていないけれども、自分の印象としてはそんなところにいますね。

【小泉】どんなふうに幸福度が上がっているのを感じているんですか?

【佐藤さわ】まず絶対的に孤独感が減ったのね。

そして孤独感が減ったことともつながるのかもわからないんだけれど、感謝する機会が増えるいるの。

ああ、ありがたいなと思うことが。

よく感謝することは良いことだから、毎日10個感謝することを探しましょうとかあるじゃない。いま感謝していることを言ってくださいって質問を投げたりとか。

そうじゃなく、わざわざ探しに行かなくたって、自然に感謝が湧いてくる感じが増えてきたの。

感謝の度合いもね。大きい感謝が増えている。イコール、それが幸福感なんだなといましゃべっていて気づいた(笑)

本当にありがたいことばっかりだわー。

数珠つなぎの感謝

【小泉】佐藤さわさんの周りではどんなありがたいことが起きているんですか?

【佐藤さわ】感謝が数珠つなぎなの。

わりとありがちな感謝ってあるじゃない。誰かから何かをもらったとか、誰かから応援のメッセージをもらったとか。

それって、ありがとうございます!ってなるんだけど、それも結局、今日元気に目が覚めて、身体が健康だからだよねとつながったり、天気が良くて災害がなくてその人に会いに行けたからだよねとつながったり、息していることとか当たり前のことが数珠つなぎになって感謝の度合いが大きくなっているのね。

だから、今までも起きていたこともわざわざ探しにいかなくても感謝を感じられるようになってきている。

何か具体的な出来事の感謝をきっかけに、当たり前のことに感謝できるようになっているのね。

【小泉】そういう当たり前のことに感謝を感じている自分ってどう思います?

【佐藤さわ】いい感じだね。流れに乗っている感じ。

自分で無理しなくても、自然にそこに、いい意味でそこに流されている。いい流れに乗っているってことだよね。

でも自分でそこに乗り行ったという感覚よりは流されてるというイメージなんですよ。

で、それこそ流してくださっている何か流れとか、引っ張ってくれているみんなとか、押してくれているみんなとかに任せておけばいいやみたいな。

それもまた感謝なんだけども、自分がそこに対し何かを具体的にアクションしたっていう感じがあんまりないの。

不思議。

佐藤さわ

しんどいときは人に聴いてもらう

【佐藤さわ】やっているんだよ。いろいろ、ジタバタ。

何もしないって難しいじゃない。なんか一生懸命やってやろうみたいなことでやってたんだけども。

やったことでその流れに乗ったんでは全然ないなってこと。

だから結局もっと達観できたら、何もしないでもいられるような。

まだそこは修行中だから、何かせねばみたいなことが立ち上がってジタバタしちゃうんだけど、そのジタバタもいいように作用しているかな、今のところは。

もちろん、しんどいときもありますよ。

【小泉】しんどいときはどうしてるんですか?

【佐藤さわ】最近は誰かに言うようにしている。そのとき聴いてくれる人に。

それも本当に、聴いてもらえるとありがたいじゃないですか。人に聴いてもらえると、愚痴から始まったのに感謝で終われるのね。

ちょっと前の私って、愚痴とか言うのはいけないことだし、言われたほうも時間がとられて迷惑だし、何も建設的ではないから愚痴は言うべきではないってところにずっといたのね。40年間いたのね。

それがなんか、それを手放して言いたいときは言っちゃう。

で、もし相手がその時忙しくて、今忙しくてちょっと聴けないって言えないような関係性だったらそれまでだし、その人が無理して聴いて嫌な思いをしたとしてもそれはその人の問題だから、もう私がこの人に言いたいと思ったら言っちゃえみたいな、結果を手放す感じ。

それがいいんだか悪いんだかわからないけど。

それをしてみたら、意外と人って愚痴聴いてみたいに言われて聴かされるのは好きみたい。

やっぱりそれこそ人の役に立っている感覚がおそらく喜ばしいんだと思うんだけど、わりとみんな喜んで聴いてくれて、私も嬉しくて感謝して、向こうも役に立てて嬉しくて、割といいことじゃんと気づいたの。

それで人生の先輩にあたる人、年齢関係なく精神的な先輩に話を聴いてもらっています。

それがまた逆にいい動きを生み出しているのね。

自分が自分を見ていないかった40年間

【小泉】最近はいろいろな変化が訪れているようですが、その前の自分の40年間を振り返ってどう思われますか?

【佐藤さわ】自分の40年間は、その後のこの6年間のための40年だったなーと、今となっては思う。

本当に型通りにこうあるべき、今の日本社会ではこうあるべき、こうやったら成功、こうなったらと言われている、教科書通りに意外とできてしまう人だったから、そこに何の疑いもなくやってきた。

とりたてて器用なことってないのね。でもどんなことでもそこそこできてしまうので、一応要求されていることは。

なので、そんなに苦労もなくそこに普通にはまってきて、疑問もなくきちゃった。40年間は。

だけどいつも何かそれこそ満たされないとか、孤独感とか、孤独感が一番大きいのかなー、生きがいみたいなものもなくて。

でもまあそんなもんなんだろうねと思いながら40年間来たんですよ。惰性で。

【小泉】どんな孤独感、満たされない気持ちを感じていたんですか?

【佐藤さわ】社交的ではあるから、いつも友達はいたし、それなりに慕ってくれる人もいた。

たぶん、孤独感がすごくあったって言うと、えー!?ってなる、という印象を与えていた私だった。

けど、私自身が私自身を見ていなかった、そういう孤独感だったと今になったら気づくのね。

対人として、人と空気を読んだり、調子を合わせたりするっていう部分で自分じゃないものを作って、それでみんなと交わっていた。

本当の自分ていうものを自分が見てあげていないから、本当の自分はいつも置き去りで、それが寂しかったんだ、と今になっては思う。

けど、当時はそんなことには気づいていないの。この作っている私が私だと思い込んでいたから。

自分とつながるとか、本来の自分がとか、インナーチャイルドがみたいな話って、えー何それー!?って思っていた。

そんな感じ。そんな寂しさだった。

誰がどうとかではなく自分が自分を見ていない寂しさかな。

すごい言語化できますね、聴かれると。びっくりしちゃう。そうだったんだ(笑)

※インナーチャイルド
子どもの頃の記憶や感情から作られた自分の内面にある一つの人格のようなもの。主に傷ついた体験から生まれたものを指すことが多く、大人になってからの思考や行動にも影響を与えていると言われている。

今の生き方、活動を始めたきっかけは東日本大震災

【小泉】そんな孤独感とか、満たされない気持ちを感じていた佐藤さわさんが、今の生き方、活動をされたのはどんなきっかけがあったんですか?

【佐藤さわ】それは東日本大震災で価値観が大きく変わったのね。

お金があっても物が買えないっていうこと、お金のやり取りがないのに近所の人が当たり前に分け合うっていうことを体験したの。

普段会釈ぐらいしかしなかった近所の人と助け合う感じがすごい良かった、気分が良かった。

これはほんと日本にとってチャンスだなーと思って。

おかしかった日本社会が変われるチャンスだなーと思ったのに、元の会社の人は1ヶ月もしてライフラインが戻ると前と同じようになっちゃっていたところに、自分はもう戻っていけなかった。

なので、辞めてSawa’s Cafeというコミュニティ・カフェをやるんだけども、そこでもやっぱり自分自身がまだ自分自身と一緒にいてあげることはやってなかったと今になっては思っているの。

コミュニティ・カフェの店主っていう形を自分に作って、それでやっていただけなので、そこそこの評判になり、気に入っていただいて使っていただいた方はいたんだけど、また本当の自分をおざなりにしていたの。

だけどそこのカフェをやったことで、いろんな人、スピリチュアルな人も含めて、いろいろな出会いがあって、本当の自分と向き合わざるを得なくなったの。

その中でチェンジ・ザ・ドリーム シンポジウムNPO法人セブン・ジェネレーションズにも出会い、あとはもう野となれ山となれと今の流れです。

ほんと不思議だよね(笑)

※チェンジ・ザ・ドリーム シンポジウム
アメリカの非営利団体Pachamama Alliance(パチャママ・アライアンス)によって開発された参加体験型ワークショップ。「地球上のすべての人が、環境的に持続可能で、社会的に公正で、精神的にも充足した生き方を実現すること」を目的にして市民レベルの草の根活動的に全世界で行われている。日本ではNPO法人セブン・ジェネレーションズが普及を推進している。

何にも特別じゃないのが誇らしい

【小泉】この6年間を一言で言うとどんな感じですか?

【佐藤さわ】「成長」

もう生まれ変わった。生まれ変わって6歳になりましたって感じ。

生まれ変わり、新しい人生とかそういうイメージ。

【小泉】生まれ変わった自分てどんな人ですか?

【佐藤さわ】私だよ。

さわじゃなかったんですよ。40年間は。

いい意味でなんだけど、すごい、どこにでもいる単純な生命体だなーと思ってるのね。

それまでって上を見れば上はたくさんいたし、下を見れば下もたくさんいたけど、どちらかっていうと優等生気味、成功者気味に思っていていたところがあったのね。

でも生まれ変わってみると私よりもすごい人がいっぱいいて、自分は大したことがないっていうのを知ることができたのね。自分を卑下する意味ではなくてね。

そして、自分が大したことがないとするとすごいチャンスで、私ができることはみんなも絶対できると思っているの。だから、私は実験台になるのにふさわしい人だと今は思っている。

お金のいらない世の中を自分は目指しているんだけど、ギフトエコノミーとかそういう活動を既にやっている人の経歴を見ると、みんな結構すごいんですよ。

例えばパーマカルチャーをすごい学んでいてとか、社会的な活動をすごいしているとかね。

私はそれを見たときに、そういう人だから新しい経済の仕組みを作る試みとかできるんじゃんと思っちゃって、その人たちは特別よねっていう感覚がしちゃったの。

だけど、私はそういうのは何もないから、バックボーンが何もないからこそやる価値があるっていうふうに思えるようになって、今の実験台をしているのがすごくいいと思っている。

何でもない、取るに足りない、何の能力もない私。

なのにやっていることに誇りを持っている。そんな感じかな。

何にも特別じゃないの。それが誇らしいのね。

※パーマカルチャー
パーマネント(永続性)と農業(アグリカルチャー)、そして文化(カルチャー)を組み合わせた言葉で、永続可能な農業をもとに永続可能な文化、即ち、人と自然が共に豊かになるような関係を築いていくためのデザイン手法。
私たちの命を支えている自然の恵みである食べ物やエネルギー、水などがどこからきてどこへ行くのか、そして自分の毎日の生活がそれらにどのように関わっているのかを知り、汚染や破壊を引き起こすのではなく、より豊かな生命を育むことが出来るようにそれらと関わっていくこと。
そして争うのではなく喜びを分かち合うことを前提とした人間社会を築いていくこと。これらを実現していくために自らの生活や地域、社会そして地球を具体的にデザインしている。(引用元:パーマカルチャー・センター・ジャパン)
詳しくはこちらをご覧ください。 >> http://pccj.jp/

ここまで佐藤さわさんが行っている社会実験とこれまでの歩みを伺ってきました。

中編では、こうした社会実験を行っている佐藤さわさんからは今の世の中がどのように見えているのかを紹介します。

どうぞお楽しみに!

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※ 参考サイト

  • Sawa’s Project
  • 「みんなもっと、幸せな世の中へ!」をコンセプトに佐藤さわ自らが実験台になっているプロジェクト。
     

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